山田司さん|Tsukasa YAMADA

山田司さん|Tsukasa YAMADA

合格スクールLondon School of Economics and Political Science(LSE)
University of Washington
留学先(国)イギリス
アメリカ
専攻(メジャー)MPhil/PhD in statistics(LSE)
PhD in measurement and statistics(University of Washington)
職業某国立大学院

今回インタビューにご協力頂きました山田さんは、世界の名門大学ロンドン大学London School of Economics and Political Science(LSE)の博士課程(PhD)に見事合格されました。山田さんは日本の大学院から海外の大学院のPhDを目指すという道にチャレンジされていますので、現在特に日本の大学院で研究されていらっしゃる方にご参考頂けると思います。
※当日は感染防止の観点から弊社の表参道コンサルティングルーム(個室)内でリモートにてインタビューを行いました。

Q1. まずはPhD留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?

Q1. まずはPhD留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?

私の叔父がアメリカでPhDを取得して、そのまま現地で20年位研究をしていたという経歴の持ち主で、そのおじさんの話がいつも他の大人の人とは違ってとても面白かったんです。

なので、小さいころから留学への憧れや意識は持っていて、将来的には海外で研究してみたいという気持ちがありました。

高校3年生の時に学部から留学するという事も考えたのですが、学部へストレートで留学をするほどの準備はまだなかったので、まずは日本の大学に進学をして院からの留学を考えていました。

ただ学部時代は心理学を専攻していたんですが、そこから統計学への興味が出てきて、研究分野を変更するならばまずはその準備を日本でしなければという事で、日本の大学院へ進学し、そこで研究実績を積み統計学専攻でPhDを目指す為のバックグラウンドをつける、という計画に変更しました。


Q2. PhD留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?

Q2. PhD留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?

とにかくPhD出願に向けて研究業績を積みたかったので、日本の大学院から合格をもらってからすぐ、入学する前に研究室へ参加して研究を積極的に進めました。

研究分野にもよるところではありますが、海外の場合だとプロジェクトが与えられてそこに参加するというスタイルも多いと思いますが、自分が所属していた研究室は自分で自由にテーマ設定をして一人で進めていくというスタイルだったので、入学前から進めていた研究をより掘り下げる形で研究を進めていきました。

出願する年に入ってからは3月位から少しずつ英語のテスト勉強を始めました。高校の頃から留学を意識して日常的に英字新聞を読んだり、論文を読むときに気に入ったフレーズがあったら書き溜めておいたり、英語については日々取り入れてはいましたが、英語の試験を腰を据えて取り組むというのはあまり得意ではなくて、ちょっとダラダラとやってしまいましたね(笑)。でも何とか必要なスコアが出て良かったです。

出願する研究室に関しては、自分の興味や研究テーマに沿いそうな研究室をなんとなく考えてはいましたが、4~6月位に具体化していったという感じです。

そして8~9月頃に出願校を確定させて、志望理由書やリサーチプロポーザルなどの作成を進めました。志望理由はもちろん頭の中にはありましたが、これまでの経験をブレインストーミングしてその中から何をピックアップして書くか、何を留学の目的とするのか、説得的に説明が出来るよう順序付けしました。

研究テーマについては、出願する研究室とのマッチングが非常に重要になるので、これからの自分の研究の方向性をどうしていきたいのかも含め、今まで研究してきたテーマをもう少し局所的ではなく長期的に取り組めるテーマになる様考えていきました。

この作業はこれからの自分の研究に必要な事ですし、やってきたことの延長性上にあるものを形にする作業なので、苦労ではなかったです。


Q3. 出願校どのような基準で選ばれましたか?

Q3. 出願校どのような基準で選ばれましたか?

統計学科から開校されている統計学のPhDに進学したいという気持ちが強かったので、そこを重要視したのと、もう一つ当然研究テーマのマッチングは非常に重要なので、この2点を重要視して研究室を選びました。その次に3点目として大学のレベルを見ながら最終的な出願校を決めました

自分の研究テーマとしては、統計学を心理や教育に応用するといった分野なので、出願先の選択肢として、教育学科内にある統計学よりのPhDプログラムも考えられます。

もちろんそういった研究室にも出願をしたんですが、出来れば数理、理論的なテーマができる先生のところで研究がしたかったので、統計学部の研究室を優先したいと思っていました。

自分の魂というか、ものの考え方として数理寄りの統計学が合っていると感じていることや、また将来的にサブのキャリアテーマとして携わりたい統計教育の分野においても、統計学の博士号を持った上でアカデミアの立場があれば発言力も付けられ、自由に進められるのではないか、と考えているので、、。

統計学部の研究室へは最終的に3校出願したんですが、今回進学を予定しているLSEはその中の1つで、もともと第一希望の研究室だったのでとても嬉しいです。

実はこのLSEの教授とは、出願校をしっかり決める前に国際学会のメンタリングプログラムでお話する機会を頂いて、その時からとても好意的にアドバイスを頂けてLSEへの出願に関しても後押し頂く事が出来、とてもありがたくラッキーでした。


Q4. 留学のご準備で大変だったことや、逆にこの期間を経て得られたものなど、印象に残っていることがあったら教えてもらえますか?

Q4. 留学のご準備で大変だったことや、逆にこの期間を経て得られたものなど、印象に残っていることがあったら教えてもらえますか?

今回のプランを達成する為に、高校時代から7~8年の歳月を費やしていますからね、、自分へのプレッシャーはすごかったです(笑)。途中で分野変更をした事で、当初の計画より2年プラスで費やしましたし、その間出来る限りの事をやろうと決めて頑張ったものの、結果が出なかったらどうしよう、、と。正直、早く終わってほしいと思っていました(笑)。

皆さんそうだと思いますが、基本的にこういった準備は初めての事ですし、何か正解なのか、頑張っていることがどの程度意味があることなのか、半信半疑の中で気持ちの維持をするという事が、今思えばしんどかったな、、と思います。ちょうど出願の時期は、修士論文や査読対応など、本当に沢山の事が重なる時期で、、時には面倒くさくなってしまう事もありました。

でもその分、LSEの先生に“君のPassionとAttitudeが好きだから是非来てほしい”というお言葉を頂けた時は、本当に嬉しくて、その言葉がとても印象に残っています。先生は数学寄りの統計学の研究もされていらっしゃる方なので、自分の様なバックグラウンドだと同じ土俵では見てもらえないような存在だと思っていたので、、。

University of Washingtonの教授にも“今年一番の出願者だった”と言って頂けて、良い条件のOfferを頂く事が出来ました。

どんなに頑張っても、自分が本当に意味のある頑張りができたのか、もしかしたらもうちょっと何かできたことがあったんじゃないか、と思ってしまいますが、それが今回の受験の過程で認められたという事が本当に嬉しかったですし、報われた気持ちになりました。


Q5. 色々なご経験を経てまもなくご出発を控えていらっしゃいますが、留学中、留学後の抱負や今の心境をお聞かせ頂けますか?

Q5. 色々なご経験を経てまもなくご出発を控えていらっしゃいますが、留学中、留学後の抱負や今の心境をお聞かせ頂けますか?

今回、本当に自分の希望する研究ができる環境を得る事が出来た事を、とてもありがたく幸せに感じています。

一方で、最初は授業がありますし、それをクリアしないとPhDへ進む事が出来ないので、大丈夫かなあとか、友達出来るかな、とか(笑)、留学を予定されている皆さんが思うような不安ももちろんあります。

留学中は、ただただ研究を一生懸命にやって、研究で認められる様にしたい、それだけですね。研究で認めてもらえる事で、今後の人生において自分の自信にも繋がると思います。

卒業後は違う国でポスドクを経験したりして、色んな国の色んな方と研究を通じて知り合ったり、交流をしていきたいと思っています。

その後は今はアカデミアのキャリアを目指したいと思っています。統計教育も自分のサブテーマとして併行して進めていきたいですね。


Q6. 最後に、現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願い致します。

Q6. 最後に、現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願い致します。

もうとにかく、出来る限り一生懸命やって、あとは天命を待つしかないと思うので、ベストを尽くすのみですね(笑)。

自分の場合も実績を積むために、能力の範囲でできる限りの事はしたと思っています、例えば統計学の知識や実績をアピールできる様、敢えてそういった難しいテーマを扱うとか、学会発表の機会があったら無理してでも出るとか、研究できそうなテーマがあったら英語でもチャレンジするとか、そういった積み重ねによってCVにも書けますし、教授へ自分のやりたい研究テーマについて説明するときにも熱意を持って伝える事ができるんじゃないかなと思います。

PhDへの進学には出会いや運にも恵まれる必要があるのかな、と思います。実際自分の場合もLSEの教授がメンタープログラムへ参加された事、そこでお話できた事は本当にラッキーだったと思います。

全ての教授がメンタリングプログラムへの参加を希望されるわけではもちろんないので、教授が参加されることを知った時はいち早く申し込みをしました。応募は先着順なので(笑)。

アメリカのPhDプログラムだと事前に希望する教授へコンタクトを取る事は求められないことも多いですが、コンタクトが禁止されていない場合は特に第一希望の教授とは事前に連絡を取った方が良いのではないかなと、思います。学会などで実際会えればより良いと思いますが、なかなか時期が合わなかったりもすると思いますので。