鈴木 咲陽さん|Sayo SUZUKI
鈴木 咲陽さん|Sayo SUZUKI
合格スクール | University of Gothenburg |
留学先(国) | スウェーデン |
専攻(メジャー) | Language and Intercultural Communication |
職業 | 外資系企業事務 |
今回 インタビューにご協力頂きました鈴木さんは、高校生の時に”海外の大学で日本語講師になる”という夢を掲げ、大学院留学を決意されたそうです。 決意されてから長期的なご計画で見事Masterへの進学を実現された鈴木さんへ、目指されたきかっかけやスウェーデンのヨーテボリ大学への進学を希望された理由、また留学中や将来についての展望について、とても具体的なお話をお伺いする事が出来ました。
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
もともと言語に興味を持っていて、国語の活用表を眺めたり、あと外国の方が日本語で話し出すと外国語で話している時よりも急に距離が近く感じて親近感が湧いたり、言葉っておもしろいなと思っていました。
将来そういった機会を増やせるような仕事がしたいなと、高校1年生か2年生の時に、当時高校に来ていたネイティブティーチャーに“どうしたら海外の大学で日本語を教える仕事が出来るのか”と職員室まで相談しに行ったんです。その時に先生の友人で大学で教えている方がいらっしゃると伺い、その方にどうしたら良いか相談したところ、“そういった仕事をする為には海外の大学院のMasterを取得する必要がある”という事だったんですね。その時から、“海外でMasterを取得する”という事が私の目標になりました。
それから大学で日本語学を専攻して、そのまま大学院を目指す選択肢もありましたが、新卒で就職活動が出来るという事は貴重な機会ですし、奨学金の返済や大学院留学をするための資金を作るためにもまずは就職をしようと思い、営業職で3年間働きました。3年間の職歴があることによって、後々再就職を考えた時にも大きなアドバンテージになるとも考えました。
3年間働いていた期間は、毎日帰宅が23:00頃になってしまっていましたし、週末も遊んでしまったので(笑)、留学の為の勉強は進んでおらず、資金的にも思った程は貯まりませんでしたが、そこは社会人としての期間を謳歌出来たので良いとして、次のステップに進みました。
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
3年の職歴をつけた3月にこちらへご相談させて頂き、確実に成功させたかったのでサポートをお願いし、そこから具体的な準備を開始しました。こちらのサポートは所謂エージェントではなく、私にとってベストな大学院をリサーチし、その大学院へ進学できる様サポートいただけるという点が私にとってはとても魅力的で、こちらにお願いする決め手となりました。7月からは勉強時間をより確保する為に職場にパートタイムに切り替えて頂き、より大学院留学の準備に専念しました。
最初は英語の基礎をつける為に半年でTOEIC800点以上を目指し、まずはその目標をクリアしてからIELTSを進めました。その間にもちろんこちらのコンサルティングを受けながら専攻や学校決めも進めていき、最終的に翌1月に出願をしました。
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?
私の希望や予算をお伝えしながらご相談を進めさせて頂いたところ、私の希望だとヨーロッパの大学院が良いのではないかというアドバイスを頂き、ヨーロッパや北欧で私の興味に沿うプログラムを幅広くリサーチ頂きました。その中で現実的に学費の条件を見たり、同じ学費ならば1年ではなく2年学びたいといった希望から、ある程度候補校を絞りこんでいきました。
あとはプログラムの内容をしっかり確認して、例えば履修できる科目のシラバスや、いらっしゃる教授の研究テーマを確認して自分のイメージに近いプログラムかどうか見ていきました。ヨーロッパの大学院の場合、英語で開校されているプログラムであっても選択科目によっては指導言語が違う事もあるので、自分が選択したいと思っている科目が履修可能かどうかシラバスを見て確認する事も重要だと思います。
私は当初から勉強したい事の方向性は既に決まっていましたが、言語学に関連する専攻と言ってもその幅は広く、言語の文法や音などについて研究する様なプログラムもあれば、言語の社会的側面に焦点を当てて他言語や文化理解に言語がどの様に関わっているかについて学ぶことが出来るプログラムなどもあります。
私は将来的なキャリアとして、もちろん当初から目標にしていた大学で日本語を教えるという事も含め、言語を使って日本の文化や価値観を知ってもらえたり、また多言語多文化共生に貢献できる様な仕事、それは国際機関でも民間企業でも良いと思っているのですが、色々なキャリアの可能性を模索したいと思っています。なので、キャリアの幅が広く持てる様なプログラムを希望している私にとって、今回進学するUniversity of Gothenburgのプログラムはとても希望にマッチしていると思い、出願する事を決めました。
専攻の検討段階で、平和学などにも興味を持ってリサーチ頂いたりもしましたが、しっかり比較して検討したうえで最終的にやはり言語に関わる勉強がしたいんだと強く自覚出来た事も良かったと思います。
出願するプログラムを検討していく中で、プログラム名に「Linguistics(言語学)」とついていた方が格式が高いような思い込みを持っていましたが、担当のコンサルタントさんよりそういった名称による違いはない事や、IELTSスコア条件が低いことと難易度が比例しないことを教えて頂いて、留学先を選ぶ過程で、思い込みやイメージ、先入観についてしっかりと疑問を解消して納得しながら進められた事で、今回の進学先を選ぶ事が出来た事は本当に良かったと思います。きちんと専門家の方へご相談する事の重要性をとても感じました。
Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や、準備を進めたからこそ得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や、準備を進めたからこそ得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
沢山ありますが、、やっぱり大変で印象に残っているのはIELTSの対策ですね。6月から準備に集中して、8月からは毎月受験をしていましたが、なかなかうまくいかずに本当に辛くなってしまって、12月の試験の途中で試験官の前で泣いてしまったこともありました、、。試験官の方は気遣って下さいましたが、失態ですね、、(笑)。毎日の対策時間もしっかり取って、勉強時間を手帳につけながら自分なりに分析をしたりしながら進めてきたのにスコアが上がらない、、本当にそれが辛かったです。自分との闘いなので、我流で対策を進めていましたが、公式問題集を取り入れてみたら出題傾向が掴めて、出願締切を考えると本当にギリギリという1月の試験でようやく出願条件をクリア出来たんです。やっぱりテストの最新の傾向を把握したり対策をする事の重要性を感じましたし、スピーキング対策が出来るアプリなども途中で見つけて、もう少し早く視野を広げてみたら良かったな、と今は思います。
この準備をしなければ意識しなかった事と言えば、お金に関する事ですね。留学資金を貯める為に、細かく資金計画を立てる際に、初めて社会保険料や税金などについてしっかりと確認をしました。それまではお給料から天引きされている費用なんて意識もしませんでしたし、なんとなくお金も使ってしまっていたりしましたが、留学準備をする事でそういった社会の仕組みやお金に関する知識も得る事が出来ました。
あと合格するまではまず合格する事が目標だったので、合格後、留学後の事まで考える余裕はありませんでしたが、合格をしてから本当にゆっくりしてはいられないんだなと、思いました。合格をしたからと言って自動的に進学できるわけではなく、Residence permitの許可が得られなければ現地に行くことはできないし、住まいだって確保しなければいけません。あとここは目をつむっていた部分ではありますが、資金的にも細かく見ていったら想定以上にかかる事が判明して、、一時は留学自体を断念するべきか、、とも迷いました。そうしていたら、本当に迷った日の翌朝、奨学金の通知が届いたんです!これでようやく資金的な不安も解消され、迷いなく進学を決意する事が出来ました。
Q5. 色々な経過を経て間もなく留学へのご出発を控えておられますが、留学中/ 留学後の抱負や今の心境をお聞かせ頂けますか?
Q5. 色々な経過を経て間もなく留学へのご出発を控えておられますが、留学中/ 留学後の抱負や今の心境をお聞かせ頂けますか?
今は楽しみでもあり、不安でもあり、寂しい気持ちもあり、、複雑です。
でもやっぱり改めて周りの方への感謝の気持ちを強く感じています。家族や友人もそうですし、もちろんこちらのサポートがなければ実現しなかったと思うので、本当に周りの方々のおかげで実現できたと思っています。
こちらでサポート頂いたお陰で、大学選びや手続きなどについては本当にストレスなくアドバイスやご指導を頂く事が出来ました。今回得られた奨学金についても大学からご案内を頂いてから締切までとても短期間だったにもかかわらず、迅速に申請書類のサポートをしていただいたり文字数調整なども手伝っていただいたお陰で、奨学金を提供するに相応しい出願者だと評価頂けたわけですから。奨学金を申請する為のエッセイを作成する時に受講させて頂いたこちらのエッセイ作成講座がとても分かり易くて、何度も参考にしながら作成していった事を覚えています。お陰で今後の就職活動にも活かせる知識を得られました。
留学中は、言語というものが人間の感情にどう影響し、どのように共感として伝わっているのか、というテーマをしっかり勉強したいと思っています。ネルソンマンデラが「If you talk to a man in a language he understands, that goes to his head. If you talk to him in his language, that goes to his heart.」と言ったように、相手の母語を話そうとする姿勢が相手にどのような影響をもたらすのかというテーマについて、留学中に研究出来たら良いなと思っています。
キャンパスでは、自分の殻にこもらずオープンなマインドで沢山の事にチャレンジしていきたいと思っています。University of Gothenburgには日本語学を教えている教授がいらっしゃいますので、1年目から積極的にアプローチしてTAとして先生のお手伝いが出来れば、と思っています。大学院で学んでいることをブログやSNSで日本語と英語でアウトプットしたり、プログラムの勉強+αの市場価値を身につけるため何にでもチャレンジしていきたいと思っています。
そういった経験を活かし、卒業後はスウェーデンでなくとも、大学やNGO、民間企業など場所にはこだわらず、言語で人を繋げられるような仕事をしていきたいと思っています。
いつかテレビで見た印象的なシーンで、大学で日本語を学んだ中国人男性のリポーターが3.11の時に現地取材に行き、日本語で「今一番欲しいものは何ですか?」と被災した男性に尋ね、「愛だね」と返答した男性に「抱きしめてもいいですか?」といって抱き合ったシーンがあり、とても心を打たれました。彼が日本語を使ったことで何倍も男性の心に気持ちが届いたのではないかと思います。そういった交流体験が、平和な思想や思いやりとなり、平和な世の中につながるのではないかと思っているので、そういう機会に貢献できる仕事がしたいなと思っています。留学準備の一環で、小中学校で日本語を教えるボランティアに参加して、海外から来た子どもの学習支援や進学制度の課題について改めて認識し、行政機関などで移民の教育やキャリアチャンスの状況を改善していくという事にも興味を持っています。
Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
皆さんに言える事だと思いますが、大学院留学を成し遂げる為には、実現させるためのエネルギーを高める事が本当に重要だと思います。大学院留学は多くの時間や労力、資金を投資するイベントだと思いますので、自分の中で本当にやりたい事だと思えないと、なかなか実現させるのは難しいと思います。なので、自分ととことん向き合って、本当に必要な事なんだろうか、成し遂げたい事なんだろうかと考えてしっかり結論を出して、エネルギーを高めた状態で臨むという事が必要だと思います。
私は絶対に成し遂げたいと思っていたので、そのように覚悟を決めたからこそ今スタート時点にやっと立てたのかなと思っています。自分の為だけに時間とお金を使えるなんて20代の今のうちくらいかなと、30代、40代と人生を重ねていくとどんどん難しくなると思うので、しっかりと決心して取り組めた事が良かったと思います。
大学院留学を目指すなんて、やっぱり周りの友達と人生で向いていく方向が全く変わってきてしまいますし、そういった中でぶれずに努力し続ける為にはやっぱり大きなエネルギーが必要になります。
あと資金的に難しい環境の方もいらっしゃると思います。高校生、大学生、社会人の方、いずれもあり得ると思いますが、それだけで諦めてしまうのはもったいないと思います。奨学金などの選択肢もありますし、学生でしたら一度社会にでて資金を貯めてからでも全然問題ないと思います。私の場合も人材紹介や派遣の営業という、全く目指す学位と関係のない職種に就きましたが、それでも履歴書やモチベーションレターではコミュニケーション力を培った経験として職歴をアピールする事が出来ましたし、実際それが評価されて奨学金を頂く事が出来ました。
今も資金を貯める為に、進学ギリギリの7月まで派遣社員として働いていますがそこに採用して頂けたのは、留学準備として一番最初に取得したTOEIC820点のおかげなんです。なので、経験を積む事は無駄な事はありませんし、その後に繋がってくるので、1つの要因だけで諦めずに色んな選択肢を考えたり、経験をしてみて頂きたいと思います。社会人経験を通して視野が広がった事で、大学講師だけでなく、キャリアの可能性の幅を広げることの重要性に気づくことが出来た事も良かったと思っています。