取得できる学位/Degreeのご案内

出願校を検討する際に必要な知識として、まずは海外の大学院にはどういった学位が存在し、その難易度と卒業までの目安等を知ることが重要になります。

下記に一般的な学位の種類を解説させて頂きましたが、ほとんどの学位が日本の大学院と違い、リサーチコース(研究中心のコース)とはなっていません。つまり興味のある研究をしている担当教官を探し、受けいれてもらえるかどうかを打診し、入学できたらその教官について独自にリサーチを進めていく、という日本の大学院のようなスタイルはとっていません。

そのためほとんどのコースは日本の大学4年生のようなコースワークスタイル(授業に出席し、テスト等をパスし進級するスタイルのコース)と変わらないスタイルです。リサーチベースのコースは通常 PhD(博士課程)から始まることになります。そのためマスターレベルのコース(修士課程)で大学時代の研究実績を問われることはほとんどありません。

学位

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Master of ~

通常のマスターコース(修士課程)です。通常 Master of ~として~の部分 に 専 攻 名 が 入 り ま す。Master of Economics、Master of International Relations 等です。北米に多く、通常卒業まで2年間を要するコースが多いのが特徴です。

また Master of Literature や Master of Biology 等文系にも理系の学位にも使用しますが、全て修士課程のコースとなります。こういったコースは通常コースワークのスタイルをとっていますので、教授の授業を履修し、定期的にテストを受け、パスすることで進んでいきます。日本の大学院のようにリサーチベースでコースが進むわけではありませんので、そのような研究中心のコースを想像していると大きく異なります。

学位

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Master of Arts (MA)

直訳すると文学修士号、学術修士号となりますが、文学系の学位にのみ使用するわけではありません。通常、北米、イギリス、オセアニア等ほとんど全ての大学院で目にすることになる学位です。直訳すると文学修士号となりますが、通常は文系学位の総称として使用されています。そのためMA in ~と ~ の 部 分 に 専 攻 名 が 入 り、MA in International Relations、MA in Teaching English as Second Language 等ととして使用されています。こちらの学位も上記と同様に通常リサーチベースのコースではありません。

教授の開講している授業を受け定期的にテストをパスして進んでいきますが、イギリスの大学院は最後の学期を使って修士論文を作成しますので、その時期は自らリサーチを行い進めていきます。最後のリサーチペーパーが修士課程(マスターレベル)のリサーチと認められないと終了時期が来ても修士号(マスター)は授与されませんので注意が必要です。卒業までの期間はイギリスは通常1年間、北米は2年間のものが多いです。

学位

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Master of Science (MS, MSc)

通常理系の修士課程に与えられる学位の名前になりますが、北米とヨーロッパ及びオセアニアで異なります。北米では略して MS と総称されBiology や Physics といった主に自然科学系学位の総称となります。通常MS in Biology や MS in Physics というように MS の後に専攻名が付き、修士課程の学位名となります。またMSの学位名が付いていると必ず自然科学系の学位かというとそうではなく、心理学やマーケティング学といった統計学や数学と関連したクラスを履修する内容であれば文系でも幅広く提供されることになります。卒業までの期間は例外を除き2年で終了するコースが多いのが特徴です。


一方、ヨーロッパやオセアニアでは MSc と総称されることが多く、こちらは理系中心の学位の総称ではありません。MSc in Management や MSc International Business といった文系の学位にも幅広く提供される学位名で、MSc と付いていたからといって特に理系色が強いコースというわけではありません。卒業までの期間は約1年~ 1.5年間となります。またヨーロッパ、北米共に共通していえることは、この学位も通常日本の大学院のようにリサーチベースで授業が進むことはありまん。コースワークが主体となりますので、クラスを履修することでコースが進んでいきます。

学位

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Master of Fine Arts (MFA)

こちらは主に北米、ヨーロッパ、オセアニアで幅広く提供されている学位で、主に芸術系学位につけられる名前になります。MFA in Drama、MFA in Art Administration 等通常MFAの後に芸術系の専攻名が入り、卒業まで3年程度の期間を要する事が一般的です。

また、このコースはArt系の中でもとても実践的なものになりますので、出願の際にポートフォリオ(作品集)等の提出や、美術系大学の学士号、専攻に関連した職歴等を要することが多いのが特徴です。

学位

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Master of Business Administration (MBA)

こちらは大学院留学の中でも一番有名といってもいいくらい皆さんには馴染みのある学位ではないかと思います。日本語でいうと経営学修士号となり、ビジネスに関することを修士レベルで学ぶことのできる学問です。日本のビジネススクールでも開講している大学院もあります。北米ではBusiness School(ビジネススクール)で開講されていることが多く、イギリス等では Management School(マネージメントスクール)で開講していることが多いのも特徴です。ビジネススクールで開講しているMBAは通常営利団体の民間企業でどのように利益を多く上げるか、ということを目的とした学問になり、マネージメントスクールでは通常営利団体に限らず、NPO、NGO、行政法人、教育法人等様々な団体で応用できる管理学を学べるという点が特徴です。

皆さんの中ではMBAを1つの資格と誤解されていらっしゃる方もいますが、MBAとは Master of Business Administration(経営学修士課程)という修士課程の1コースであることを覚えておいてくだい。

学位

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Master of Research (MRes)

こちらの学位は通常 Master of Research の後に専攻名が付き、リサーチ中心(研究中心)の学位となります。イギリス等で多く開講されている学位で、北米ではほとんど馴染みがありません。この学位はリサーチ中心となりますので、コースワーク(クラス履修)はほとんどありません。いわゆる教授が授業を行い、生徒が授業を受け、理解力を測るために各種期間にテストを行う、というような MA、MS、MSc のようなコーススタイルではないということです。

通常担当教官がつき、定期的に教授とミーティングを行い、リサーチの進み具合等に関してアドバイスをもらいながら進んでいきます。日本の大学院のスタイルと似ています。卒業までの期間は通常1 ~ 2年間ですが、終了時に担当教官がマスターレベル終了の修士論文と認めなければ、学位は取得することはできません。リサーチ中心のコースになりますので、出願の際ある程度の研究実績を証明する必要があります。

学位

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Master of Philosophy (MPhil)

通常 MPhil(エムフィル)と呼ばれ、オックスブリッジなど一部の大学を除き、コースはリサーチコース(研究のみのコース)となり、ほとんどコースワーク(クラス履修)はありません。

またこの学位の目的はPhDコース(博士課程)への準備コースになります。主にイギリスで開講されており、通常卒業までの期間は1 ~ 2年間となり、終了後PhD コースへと進学します。

学位

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Doctor of Philosophy (PhD)

皆さんにも馴染みある PhD のコースです。日本では博士課程と呼ばれています。こちらは大学院最高学位となり、リサーチ中心のコースになります。ただ北米ではMAやMSのコースとPhDコースが合体しているものもあり、その場合は最初の1 ~ 2年程度は授業履修スタイルで進み、その後リサーチ主体のコースになります。北米だと PhD 終了までは4 ~ 6年程度、またイギリス等ヨーロッパ、オセアニアでは3年程度になります。

ただ PhD 取得までの期間は MA や MSc のようにはっきり決まっているわけではなく、博士号が授与された時が卒業となります。それまでは担当教官に付き自らのリサーチを独自に進めていく必要があります。また PhD の入学には MA や MSc と違い、受け入れてくれる担当教官を事前に探す場合がほとんどなので、まずはリサーチプロポーザル(研究計画者)等をもとに担当教官を探す必要があります(正式出願後学校の担当者が受け入れ可能な教官を探し合否が出る場合もあります)。

学位

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Postgraduate Diploma (Certificate)

こちらは上記のような学位と違い、皆さんにはほとんど馴染みのない学位だと思います。イギリス、オーストラリア、ニュージーランド等で開講されている学位で、北米ではほとんど開講されていません。北米で開講されていても意味や学位のレベルが異なりますのでご注意ください。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドで開講されている Postgraduate Diploma(Certificate)の学位は通常 Bachelor(学士号)と Master(修士号)の間の学位になり、Bachelor から専攻が変わるため(またアカデミックバックグラウンドが足りないため)等の理由で直接 Master のコースに入学できない場合に Postgraduate Diploma(Certificate) コースの履修を要求されるケースがあります。また、このコースには修士論文が課されないので、9 ヶ月程度で終了することが可能です。

なおアメリカのExtension、Continuing Education(生涯教育)で開講されている Diploma コースはこのコースとは異なり、通常職歴を積んでいる学生を対象にした実践的な授業内容となります。より即戦力となる知識やスキルを身につけたい方向けのコースになりますので、どちらかというと専門学校という意味合いが強まります。これらの Diploma、CertificateとMaster、Doctor コースの違いは、Master(修士課程)、Doctor(博士課程)が世界共通の学位ということに対して、Diploma、Certificate は世界共通の学位ではないということです。そのため、Diploma、Certificate の学位を取得しても各国で学術レベルや使用方法が異なるので、国際的に高等教育を修了した学位として証明することが難しいという現状があります。例えば日本の各種専門学校や英会話学校等でもコース終了証明書として Diploma という名前を使っていることも珍しくありません。そのため、Masterコースへの準備コースとして入学する場合は問題ありませんが、Diploma、Certificate のみで終了しようと思っている方は卒業後の学位の使用方法や価値等を検討する必要があります。

学位

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Pre-Master

このコースはイギリスまたは一部のヨーロッパ(オランダなど)の学校で開講されているコースになります。イギリスのPre-Masterコースは厳密にいうと大学院で開講されているコースではなく、通常「大学院留学準備コース」と呼ばれ、イギリスの大学付属英語学校で開講されている大学院留学生の準備コースになります。勉強する内容は学術的英語が主になります。大学院を目指す留学生専用のコースとなりますので、生徒は留学生のみになります。また主な目的は大学院入学後に必要な学術的英語力向上となっています。このコースで最も注意しなければいけないことは、通常この Pre-Master コースを卒業しても大学院に入学できる保証はなく、また英語力がある程度備わっている方は大学の授業等一部履修することができますが、大学院に直接入学することが難しいアカデミックバックグラウンドを補ってくれることはないということです。

つまり、大学で心理学を専攻していない方がこの Pre-Master に入学しても心理学の大学院に入学できるということはないということです。大学院へ入学するために必要なアカデミックバックグラウンドを補うためにはPostgraduate Diploma (またはPostgraduate Certificate) に入学する必要があります(オランダのPre-Master はこの役割を担っている事があります)。またこのコース終了時に大学院へ入学できる保証があるわけではありませんので、あくまで英語コース+α程度と考えておいた方が無難です(海外大学院の中には非常に稀ですがこのPre-Master終了を大学院の入学条件に設定している学校もあります)。つまり英語力が足りないので語学留学をしたいが、ただの語学留学ではなくせっかくだから大学院で使用する英語を中心に学びたい、というような方のためのコースです。TOEFL や IELTS 対策を主に行いたい場合はそういったテスト対策コースの方が向いているかもしれません。

学位

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Other Professional Degrees

その他にも専門性の強い学位が数多く開講されています。例えば法科大学院では LLM という様々な法律専門の学位があり、これは通常1年で終了する修士号です。また医療系ではMDは医師資格を意味する Doctor of Medicine になり、その他 MSW (Master of Social Work) 社会福祉学、MPH(Master of Public Health) 公衆衛生学、Master of Pharmacy 薬学等医療系だけでも様々な専門学位が開講されています。

その他、建築学系や臨床心理学系、教育学系でも社会に必要な専門性の高い学位が開講されています。