メディアを大学院で学ぶという選択。
日本でメディア学を真剣に学ぼうと思うと、どうしても専門学校という選択肢になってしまい、大学院レベルの高等教育機関で研究を行っている学校は非常に限られています。しかし海外では多くの大学院で研究テーマとしてメディア学を学ぶことができ、その研究分野もジャーナリズムから映画、テレビ制作、広報活動と非常に幅広いのが特徴です。日本にはない専攻も数多く存在しますので、海外大学院で学ぶ意義が強い学位と言えるでしょう。
専攻
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メディア学(Media Studies)
メディア学とはその名の通り情報伝達等の領域を対象とする研究のことです。その際情報伝達の様々な媒体が研究テーマとなり、その研究テーマは非常に幅広いのが特徴です。
通常メディア学が網羅する研究分野はジャーナリズム、テレビ、ラジオ、フィルム、写真、マガジン、と様々な情報媒体が研究テーマとなります。またメディア学と他の学問と関連付けて学ぶことも多く、地域メディア学、メディア広報学、メディア文化学、メディアジェンダー学、メディア開発学等その幅は広がっています。また、研究内容もメディアが特定の地域でどのような役割や責任を果すべきなのか、ということを学ぶ学問から、メディアをどのように企業の広報活動(Public Relations)に活かすことができるか、といったビジネスのフィールドで役立つ学問まで幅広く研究することができます。
また昨今では発展途上国内でのメディアが持つ役割と責任、メディアによってどのような社会影響を及ぼすことができるか、といったアセスメントに関わる学問までその研究テーマは非常に多岐に渡ります。
専攻
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ジャーナリズム学(Journalism)
ジャーナリズムとは、重要なニュース・事件・事故等を取材し、記事・番組・本・雑誌等を作成して広く公表・伝達する行為を指します。
海外の大学院でジャーナリズムを専攻するということは、このような様々な情報伝達媒体を使用し、どのように効果的に情報を伝えることができるか、というスキルと専門知識を学ぶことになります。具体的には現在起こっている出来事、事件、事故等を取材し、情報を集め、検証、分析し、レポートする能力を学びます。取材にて蓄積された情報(インタビュー結果や写真、他の情報ソースから集めた情報等全て)をいかに効率よく検証、分析しレポートできるか、という有能なジャーナリストに必ず必要な知識とスキルを学ぶことができます。海外大学院ではその方法を具体的に学びますので、非常にアカデミックな学問になります。
日本国内ではジャーナリズムというと専門学校で学ぶ内容と認識している方も多いですが、海外では大学院レベルで学ぶ非常に専門性の強いアカデミックな内容になることに注意してください。もちろんその分入学難易度も高く、通常ジャーナリストとしての職歴も要求されることになります。
専攻
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コミュニケーション学(Communication)
コミュニケーションの研究は、情報伝達等の領域を対象とする研究のことで、非常に研究色の強い専攻です。コミュニケーションというと人間間のいわゆる意見交換等を想像する方も多いと思いますが、海外大学院でコミュニケーション学を専攻すると、その研究領域は非常に多岐に渡ります。
例えばメディア学に含まれるマスコミ、ジャーナリズム、フィルム、テレビ、ラジオ、写真、といった情報伝達の全てが研究対象となります。ただ情報媒体の研究というよりは、情報管理の色が強く、必修科目に統計学や数学を要求してくるコースも数多くあります、そのためメディア学というよりは情報管理学等に近い学問と言えるでしょう。
またコミュニケーション学卒業後も職業的技術を活かす職場から芸術的制作活動まで広範囲のキャリアに応用することができます。主なキャリアは、演説の原稿執筆、報道(ジャーナリスト)、テレビやラジオの番組や広告制作、映画制作、各種カウンセリング、演劇関連、ウェブ用のコンテンツ開発等幅広く応用が可能な学問と言えます。
専攻
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広報学(Public Relations)
広報とは、民間企業に限定されることなく、行政法人や教育法人、学校法人等の非営利団体も含み各種団体の活動内容や商品、サービス等の情報発信を行う業務で、海外大学院では効果的な広報活動の方法と理論を学び研究することになります。
日本では広報というと広告と思われる方も多いですが、実際には広告とは新聞や雑誌、テレビ等の広告枠を買って商品、サービスや企業の宣伝を行うことであり、一方広報とは単純に情報を発信することで、新聞や雑誌等の媒体に記事として取り上げてもらったり、従業員や株主、消費者等に自らの活動内容等を理解してもらうことです。
もう少し広報と広告の違いをわかり易く述べると、広報は情報を発信する側がメディア等の広告媒体にお金を支払う必要のない宣伝のことを指し、広告は情報を発信する側が事前に情報媒体の枠を買い、そこで情報発信を行います。そのため広報とは無料で情報発信を行うことであり、広告とは出資が必要となる情報伝達方法です。
例えば企業がWEBページを製作してブランディング活動を行う行為は広報に分類されます。一方、テレビCM等はスポンサーとして放映料を支払いますので広告に分類されることになります。また広報活動も広告と同様に民間企業では経営戦略の1つとして認識されていることもあり、その場合情報戦、心理戦の一手段として捉える場合もあります。大学院で広報学を専攻する場合は、広告ではなく広報の手法でどのように効果的に情報発信を行っていくか、という手法と理論を学ぶことができます。