異文化圏で文化/言語を学ぶ。

文科系の学位で特に人気の高い専攻は、異文化学(比較文化学)と文化人類学です。前者は通常文化人類学のひとつの分野として学ぶこともありますが、最近では異文化と戦争、異文化と国際摩擦、異文化と国際関係等様々な分野と連結することによりさらに幅広い研究分野となっています。

専攻

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異文化学(Cross-Cultural Studies)

異文化学を海外の大学院で研究したいという学生は非常に増えてきています。異文化学とは宗教、人種、民族、ジェンダー、歴史等様々な観点から異文化について研究する学問で、比較文化学と呼ばれることもあります。ただ異文化学というコースが海外の大学院で開講されていることは非常に稀で、通常国際関係学や国際開発学、民俗学、人類学、国際教育学等の中で研究するテーマになります。

しかし、経済・社会のグローバル化が進む今日、異文化を知ることは重要になってきていることは周知の事実であり、宗教、風俗、人種の相違等、異文化を研究テーマに選ぶ学生が非常に増えています。

専攻

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人類学(Anthropology)

人類学とは一般的に、人類の進化や生物学的側面を研究する自然人類学(Biological Anthropology)と、人類の社会的・文化的側面を研究する文化人類学 (Cultural Anthropology) 及び社会人類学 (Social Anthropology) に大別されます。通常Biological Anthropologyを専攻するためには生物学のバックグラウンドが必要となります。また異文化学(Cross-Cultural Studies)、民俗学(Folklore)では隣接分野として共通の研究テーマを共有することが多
いのが特徴です。

専攻

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言語学(Linguistics)

言語学は人類が使用する様々な言葉、言語の構造を科学的に解明しようとする学問です。主に音韻論、形態論、統語論、意味論、記号論等言語についてそのメカニズムを科学的アプローチにより研究します。通常海外の大学院で学べる言語は英語だけでなく日本語やスペイン語、ドイツ語と幅広い言語
を選ぶことができます。

また言語学の中でも応用言語学といって、社会言語学、認知言語学、心理言語学、神経言語学、比較言語学、言語習得学等様々な分野で言語学を活かす方法を学ぶ学問もあります。特に海外大学院で知名度が高い学問はメディアやコミュニケーション学等の分野に活かす社会言語学や、心理分野で活かす認知言語学、心理言語学等です。また日本人留学生に非常に人気の高い英語教授法(TESOL)も応用言語学の一分野として開講されています。

その際は第二言語習得学やバイリンガリズムの研究等、言語学を第二言語習得の際どのように活かすことができるのか、ということを研究する学問になります。

専攻

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文学(Literature)

文学とは日本でも開講されている通り文学作品を研究、分析、そして批評する学問です。海外の大学院で学べる文学の範囲は非常に広いですが、人気が高いのはイギリスの英文学を研究するコースです。通常コースの目的は文学作品の研究、分析をしてそれぞれの作品の批評を行えるようになることですが、優れた評論文はそれ自体が文学作品として評価され、将来は作家や思想家が文芸評論家として活動する事もできます。通常海外大学院で文学を専攻する場合は文学部を卒業している必要があり、進学しようとする専攻に関してそれなりの専門知識が必要になります。

また文学とはその文学作品や著書に研究の焦点が当たるため、歴史や人類学、文化学といった分野とも隣接しており、大学で文学を学んできたからといって大学院の専攻は本当に文学でいいのか、自身の研究テーマを熟考し、細心の注意を持って決める必要があります。