国境を越えたデザインセンスを。

美術・芸術系の学位となるとその研究テーマは非常に幅広いものとなります。もちろん皆さんご存知のイラストレーション、写真、ウェブデザイン、情報デザイン、アニメーション等の専攻も存在しますが、ここでは海外大学院ならではという少し特殊な学位を中心にご紹介致します。

専攻

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芸術経営学(Art Management)

芸術経営学の基本的な役割は、芸術家が専念してよい作品を創ることができ、それを効果的に社会に公表できるような環境を整えることです。例えば舞台や博物館、美術館等が分かり易い例ですが、芸術家の才能と、それをマーケットに提案するのに必要な資本と組織、そして作品を実際に目にする観客の3つの要素を効果的に繋ぐのが芸術経営の研究目的ということができます。

海外大学院で芸術経営学を学ぶ際は、美術館、博物館、各種舞台等を経営するために必要な具体的な経営知識を学びます。ビジネススクールで開講されている経営学との相違点は、芸術経営学の研究対象はNPO(非営利団体)の経営方法に絞られているということです。民間営利団体とは運営目的が異なる為、運営費用の調達方法や広報活動といった経営活動も大きく異なります。

そういったNPOの経営方法を学び、同時に芸術の分野に絞った会計学、広報、マーケティングといった運営に必要なスキルを全て学ぶことができます。

専攻

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舞台芸術(Performing Arts)

舞台芸術とは通常、演劇、オペラ、ダンス等、舞台上で実演される様々な芸術の総称ですが、海外大学院で舞台芸術を学ぶ場合は、舞台芸術に関わる全てが研究対象となります。舞台装置に関わる全ての分野から舞台で演じるものへの演技指導、脚本、発声訓練等、その研究分野は非常に多岐に渡ります。

またこの分野の多くは演技指導者を育てるためのコースも多く、教育学的側面を持っているコースが数多く存在します。そのため進学前に自身の研究希望に沿った内容になっているか細心の注意が必要です。

専攻

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建築学(Architecture)

海外大学院で建築学を学ぶ場合、構造や材料等の工学的な側面と、デザインや建築史について研究する芸術的・文化的な側面を持っていることを理解する必要があります。

通常日本では建築学というとこの工学的側面が中心になりますが、海外、特にイギリスを含むヨーロッパの大学院では建築学というと後者の芸術学的側面が中心になります。そのため出願書類にもポートフォリオ(作品集)が求められるのですが、このポートフォリオもただの作品集ではなく非常に芸術的な評価をされることになります。

通常建築学は美術大学や芸術学部で開講されていることが多く、そういった場合は特に工学的側面より芸術的なところが重要視され、履修クラスも環境デザイン、ランドスケープデザイン、都市計画、インテリアデザイン、スペースデザイン等芸術的なクラスを数多く学ぶことになります。

北米等ではもちろん工学部で開講されている建築学もありますが、こちらは研究色の強い学位になり、理数学的な知識が問われることになります。

専攻

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工業デザイン(Industrial Design)

工業デザインとは、「工業製品のデザイン」として製品の商品性を高めることが目的であり、美それ自体が目的である美術・芸術品(fine art)とは区別されることが特徴です。

分かり易い例は iPad や iPhone 等のアップル社の製品は全てこの工業デザインのもとに作られ、商品そのものの芸術性より商品性を高めるデザインとして成功した代表例といえます。芸術を追求するのではなくあくまで売れる商品をデザインすることが特徴です。

工業デザインの中でも日常生活物をデザインすることを強調した場合には「プロダクトデザイン」、機械製品のデザイン領域に限る場合には「メカニカルデザイン」とも言われ、海外美術系大学院では研究テーマをさらに絞り込むことが可能です。通常出願にはポートフォリオ(作品集)が要求されますので、ある程度デザインの経験がないと入学は難しいでしょう。