(2022年更新)【コラム40】米国政府が発表、大学院卒業後3年間就労許可(STEM OPT)が得られる専攻一覧!~STEM OPT Extensionに文系学生はチャレンジできるか?~

最近卒業後に海外で就職したい、というお問合せがまた増えて参りました。そのため今回はアメリカのOPT制度、特にSTEM OPT Extensionを取り上げてみたいと思います。

OPT制度は既に皆さんもご存じかと思いますが、正式にはOptional Practical Trainingといい、米国大学院卒業後1年間の就労許可が下りる制度です。実はこのOPT制度にはSTEM OPT Extensionという制度があり、一定の条件を満たすことで就労許可をさらに2年間延長することが出来ます(2016年に新設された制度です)。

その条件とは「STEM」、つまりScience, Technology, Engineering, Mathematics関連の専攻とするコースを卒業し、さらに専攻と関連する業種に就くことです。詳しくは下記米国オフィシャルサイトをご確認下さい。

STEM OPT Extension
https://studyinthestates.dhs.gov/stem-opt-extension-overview

このSTEMは日本でも政府がスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校を公表するなど、次世代教育の柱として注目されています。

このSTEMに関する専攻、となると若干漠然としていますが、米国政府がSTEMに認定する専攻(コース)の一覧を公開しています。詳しくは下記ご確認下さい。

STEM Designated Degree Program List
https://www.ice.gov/doclib/sevis/pdf/stemList2022.pdf

このSTEM OPT Extensionに申請するためには、上記リストのCIP Code(認定されているという証明コード)が必要になります。上記リストはそのCode別に公開されています。

上記は実際米国の移民局オフィシャルサイトで公開されているPDF書類になりますので、できればダウンロード頂くことをお勧め致します(いつ非公開になるか分からないため)。

下記米国オフィシャルサイトのアナウンスになりますが、「New Steps to Give More Students and Workers Tech Skills to Fuel the Next Generation of American Innovation」としていくつかの施策を挙げています。その中のひとつにSTEM OPT Extensionが挙げられています。

https://obamawhitehouse.archives.gov/the-press-office/2016/03/09/fact-sheet-white-house-announces-doubling-techhire-communities-and-new

つまり、次世代にAmerican Innovationを起こすために必要なスキルや知識を付けるためには、STEM関連を学ぶ必要がある、と明言しているということです。

そしてそのSTEMに関する一覧を具体的に前述した通り発表しています。そのためこの一覧はこれから留学をされる、ご検討される方にとって非常に有意義なものになると思います。

ではここからは今回のコラムの本題である、「このSTEMコースに文系の学生がチャレンジできるのか?」に入っていきと思います。

通常米国のSTEMコースに認定されている場合は、その旨がコース案内のホームページ上に載っています。ただSTEMは前述致しました通りScience, Technology, Engineering, Mathematicsとなり、一見すると文系の学生にはチャンレジが難しいように感じると思います。では実際のところはどうなのでしょうか?

答えは、「文系の学生でもSTEMコースにチャレンジ出来ます」。

例えば、Business Analyticsという専攻ですが、下記の通りワシントン大学では、大学の学位専攻は問いません。ただ微分積分及び統計学のみ知識を証明する必要があります(大学などのクラス単位を証明する必要があります)。

University of Washington
https://olin.wustl.edu/EN-US/academic-programs/specialized-masters-programs/ms-in-customer-analytics/Pages/default.aspx

このように聞くと結局難しいように聞こえますが、大学の学位が問われない以上、現在大学生の方は在籍中の大学で、また既に社会人になっている方はオンラインや近郊の大学で単位履修生としてクラスを履修することが可能です。

またそういったことも難しい、という方は、例えば下記コースはMBA(経営学修士課程)ですが、副専攻でファイナンスやマーケティングを選ぶことでSTEM認定コースと認められ、三年間のOPTに申請することが出来ます。

University of Connecticut
MBA (Financial Analysis and Investments)
https://grad.business.uconn.edu/stem/

以上の通り、例え大学で文系を専攻されていても、今後の努力やコースを細かくリサーチすることでSTEM認定コースに進学するチャンスは十分あります。

これからは文系、理系の垣根を越えたハイブリッドな人材が活躍する時代を迎えると言われています。そのためこれから大学院留学を目指す方は、米国以外の国へ留学を検討されてらっしゃる方も含め、是非このSTEM認定コースについてはご留意頂くことをお勧め致します。