本当に授業料が無料の海外大学院は存在するのか?
【コラム33】本当に授業料が無料の海外大学院は存在するのか?
「最近授業料が無料の大学院が海外にあると聞いたのですが本当ですか?」
という問い合わせが増えてきました。
まずその答えですが、
「本当です、現在授業料が無料の海外大学院は存在します。」
私どもは海外大学院進学に関するサポートを専門に行って今年で11年目になりますが、大学院留学を希望される方の壁は大きく分けて三つです。
① 費用
② 英語力
③ キャリアブレイクによるリスク
この中でも①費用は特に大きな壁で、英語力やキャリアブレイクによるリスクのように努力などで克服することが非常に難しいと言えます。
米国や英国である程度のレベルの大学院へ進学しようとすると、やはり授業料を含め500~800万円程度の費用がかかります。その中でも授業料は通常1/3程度を占めますので、現実的にお金がないと留学できない、という現状が大きな壁となります。
そこで弊社でも数年前から、「費用をできるだけかけずにある程度教育水準の保証された大学院へ進学したい、国は限定しない。」、というご希望を持ったクライアント様のために、授業料のかからない海外大学院のリサーチを専門に開始しています。
皆さん授業料が無料というと懸念されるのが、授業料を無料にしてまで学生を集めている非常にレベルの低い、卒業しても意味のない大学院ではないのか、と思われると思います。しかしリサーチの過程で私たちは、授業料が無料の理由は、単に学生が必要という訳ではなく、大学の国際化を図ってのことだということが分かりました。
昨今日本でも問題になっておりますが、現在先進国、特にヨーロッパの大学院は国際化を国策として進めており、できるだけ多くの留学生や多国籍の指導者を集めるため、様々な取り組みを行っています。その一環が留学生も授業料を無料にするという政策です。
そもそもヨーロッパでは、ネイティブの学生は授業料が無料となる公立大学が多く、その対象を(大学を国際化するという目的のため)留学生にも広げた、というのが昨今留学生も大学院の学費が無料で留学できることになった要因です。
そのため授業料が無料となるその多くのコースが英語でコースを開講しており、TOEFL/IELTSといった皆さん馴染みのある英語のテストで留学が可能です。通常現地の言語を習得する必要はありません。
ただこの政策は非常に流動的で、現在授業料が無料で留学できる大学院があるのは、ドイツ、フィンランド、ノルウェイなどが中心ですが、ドイツが留学生にここまで門戸を開いたのはここ2~3年ですし、数年前はスウェーデンを含む北欧3カ国は全て留学生には授業料を課していました。そのため毎年のように国の政策に合わせて留学生の学費は流動的に変化しますので、皆さんがご留学される時期に合わせて最新の情報を入手されることをお勧め致します。
また前述した国でも私立の大学院は非常に高額な授業料がかかりますし、公立でも学校ではなくコースによって授業料がかかるケースもあるのでご注意ください(授業料が無料でも滞在費を証明するため財政証明書は提出しなければいけない学校もありますので、1~2年間の滞在費に関しては入学前に証明する必要があります)。
ただそうは言っても授業料が無料となれば、上記3つの壁である①費用は乗り越えることができる方も多いと思います。下記に現在授業料のかからないコースの具体例を挙げておきますので、是非ご参考下さいませ(今回はビジネス系を数校挙げましたが、公共政策や国際関係、経済学、コンピューターサイエンス、また自然科学系学位などもあります)。
ただあくまで下記は授業料が無料となるコースの一部ですので、ご参考程度にして頂き、他のリサーチを行わず下記コースに出願や進学を決めることはお控頂きますようお願い致します。
University of Applied Sciences Berlin (HTW)
Master’s programme in International Business
https://www.daad.de/deutschland/studienangebote/international-programs/en/?p=d&s=kr&id=919
Berlin School of Economics and Law (HWR)
MA International Business & Consulting: International Strategic Management
University of Oulu
Oulu Business School
Master of Science in Marketing
http://www.oulu.fi/education/international-masters-degree-programmes/marketing#content-top