【コラム No3】条件付き合格のカラクリ Part2

【コラム】条件付き合格のカラクリ Part2
~条件付き合格制度で生まれる大学院留学のリスク~

このコラムは前回作成致しました「条件付き合格のカラクリ」の続編です。

そちらをご確認頂いていない方はまずはそちらをご確認下さい。

前回のコラムで、

なぜ条件付き合格はイギリスとオーストラリアに限定しているのか?

 

という点について解説致しました。

 

今回はなぜイギリスとオーストラリアに留学先を絞ることでリスクが生まれるのか、という点について解説させて頂きます。

 

1、代理店(エージェント)制度によって学校情報が制限される

前回のコラムで、イギリスとオーストラリアの大学はそのほとんどが留学生の学費で運営されていること、そして優秀な留学生は現在各国で争奪戦になっていることを解説させて頂きました。そしてオーストラリア、イギリスなどでは、国策として留学生を増やす努力を行っている、ということも解説致しました。

 

その甲斐あってイギリス、オーストラリアではここ10年で留学生の増加は4~7倍程度になっています。しかし、留学生の絶対数が伸びても、各大学に均等に留学生が入学するわけではありません。もちろん人気のある学校とそうでない学校があるのが事実です。そこで、国策を投じて増やした留学生を各大学が生き残りをかけて取り合う事態となっています。各大学が自分の大学をできるだけ効果的に宣伝し、留学生を受け入れるために行った制度が、皆さんがご存知の代理店制度(エージェント制度)です。

 

つまり、日本を含む韓国やインド、中国といった留学生が住む国の旅行会社や留学サポート企業、各種テスト対策予備校などと独自に代理店契約を結び、自分の大学の情報を優先的に提供してもらい、その代わりに代理店から留学生が入学したら、その学生の授業料の10~30%程度の金額をコミッションバックする仕組みを作りました。

 

もちろん代理店制度自体は悪いことではなく、学校の情報を無料で提供してもらえるので是非有効に使ってもらえればと思うのですが、残念ながらイギリスやオーストラリアの全ての大学と代理店契約を行っている代理店は存在しないため、相談に行く代理店(エージェント)によって情報提供される学校に大きな制限や偏りが起こるということです。

 

このリスクを避けるためには、イギリスは100校程度、オーストラリアは40校程度です(アメリカは約6000校、日本は約700校)ので、是非全ての選択肢を検討し、そのうえで(出願校を決めた後に)、出願希望校の代理店が日本にあった場合に、是非利用いただければと思います。つまり順番を間違えないということです、出願校を決めるために代理店に行くのではなく、出願校を決め、さらならる情報が必要であれば利用する、ということです。

 

次回は「条件付き合格制度」に潜むさらなるリスクについて解説させて頂きます。