【コラム No14】将来キャリアにつながる専攻の選び方

【コラム No14】将来キャリアにつながる専攻の選び方

今朝の朝刊で以下のような記事を発見しました、

「学士の乱立、大学生が困惑」

つまり、日本の大学では学生を集めることを目的として、大学が独自性を出すため現在では様々な学士号が存在するということのようです。その数700というから驚きです。私たちも海外大学院の魅力の一つとして、常にその修士号の種類を多様性(現在600程度)をお伝えしてきました。ただ700をいうと既に海外の大学より多いのではないかと思います。

 

新聞では学士号が乱立してしまうため、一目見ただけでは何を学んできたから分からない学位も多く、そういった学位の場合、学生が就職活動の際審査官に大学で学んできたことを伝えるのが難しい、ということが話題となっていました。「キャリアデザイン学」、「環境情報学」、「グローバル地域文化学」、「国際共生学」などあるようですが、確かに一見何を学んできたか分かりません。これらのように学士号の多様性が行き過ぎてしまっている、という事態も確かにあるようですが、ただそれを審査官に明確に伝えることは学生の義務でもあるような気もします。

 

ただ以上のようなケースは、(自らが学んできた内容をしっかり第3者に伝えられるのであれば)大学では特に問題ないのではないかと思います、というも、大学は4年間あり、入学後学びながら将来のキャリアについて具体化することが通学の目的となっていますので、学士号の多様性は(現在確かに少し行き過ぎているところもあると思いますが)、まだまだ将来のキャリアを絞り切れていない新入生にとっては多くの選択肢があり、専攻を選ぶことは漠然としていた将来のキャリアを具体化する手助けになっているのではないかと思います。

 

しかし大学院留学は、通常具体的なキャリアチェンジやキャリアアップのヴィジョンを持って進学しますので、漠然と専攻を決めることは避ける必要があります。ただ600以上もあるといわれる専攻の中からどのように最適な専攻を選ぶことができるのでしょうか?

 

もちろん、既にある程度の職歴をお持ちの方であれば、自ずと専攻は決まってくると思います。問題なのは大学院留学でキャリアアップやキャリアチェンジを図ろうと考えている方です。そういった方にはよく、

 

「将来キャリアにつながる専攻は何ですか?」

「将来就職しやすい専攻を教えて下さい」

 

と聞かれることが少なくありません、

答えを考える際、もっとも重要なことは、

 

「現在社会に必要な人材とは?」

「現在社会に必要な能力とは?」

 

以上の答えが分かれば自ずと将来キャリアに活きる専攻は見えてくると思います。

下記に一例を挙げさせていただきます、

 

みなさん“ビックデータ”という単語をご存じでしょうか?

馴染みのない方は下記総務省のサイトで詳しく説明がしてありますのでご確認下さい。

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/html/nc121410.html

 

現在このビックデータを活用し日本の経済を活性化させるということが国策として進められています。上記総務省の公式サイトで紹介されていることを見ても分かる通り、今後このビックデータの活用は日本の経済活性化、そして新産業の創造に貢献するとみられています。そしてこの分野は日本の国際競争力を左右すると言われ、日本が将来国際的に生き残るために非常に重要なファクターとなるといわれています。政府は現在この経済効果を7兆円規模と推測しています。

 

ただこのビックデータを効果的に様々な産業に活かすためには、新聞にすると約50億ページとなるビックデータを分析する能力を持つ、データサイエンティストと呼ばれる人材が必要となります。しかし今後25万人は必要とされるにも関わらず、現在日本には1000人程度しかいないといわれています。そのため現在政府主導で産学を連携し人材育成を進めている最中です。

 

ここでもう一度考えて頂きたいのは、

 

「現在社会に必要な人材とは?」

「現在社会に必要な能力とは?」

 

ということです、

将来7兆円規模の経済効果を生み、25万人必要とされているにも関わらず現在1000人程度しか国内には存在しない、そして現在政府主導で人材育成に本腰を入れている、という事実です。(もちろん重ねて言いますがこのケースは一例で、この仕事を目指して下さい、と言っているのではありません。)

 

ではこのデータサイエンティストと呼ばれるデータ分析を専門に行う能力を学べる大学院は海外にあるのでしょうか?

 

北米ではこの必要性は日本より以前より叫ばれており、現在数多くの大学院で「Data-Analysis」系の学位は開講されています。現在での非常に人気の高い入学難易度の高いコースとして知られています。数学や統計学のスクールで開講されているため、通常統計や数学のバックグラウンドを求められます。大学時代の学位は問わないことがほとんどですが、大学で、統計学、微積分学、代数学、経済学などしっかりと学んでいないと出願することができません。

 

ただ海外では単に統計学というだけでなく、生態、医療、環境といった分野に特化したデータ分析を学べる学校も多く、データ分析の先にある専門分野も絞って学ぶこともできます。こういった専門分野を海外の大学院で専攻し、国際公用語である英語で専門知識を習得することができれば、日本はもちろんのこと、国際的にキャリアの幅は広がるのではないかと思います。

 

以上のようなデータサイエンティストの例はほんの一例ですが、大事なことは、将来キャリアにつながる専攻を選びたいのであれば、まず社会に必要な人材、能力について知る、ということです。そこからその人材になるためには、その能力を習得するためには、どういった専攻が海外にはあるのか、とボトムアップで進学先を考える必要があるということです。

 

海外には600を超える専攻があります、是非みなさんの希望と社会的ニーズが合致した専攻を見つけて下さい。