秋入学制度は日本教育の大きな改革である。
2012年2月27日のある新聞に下記のような記事がありました。
秋入学制度は日本教育の大きな改革である。
現在東京大学では海外の大学院に合わせ、秋入学を認める動きがあります。日本で最も優秀な大学である東大の決定により、教育業界では非常に大きな社会的影響があると言われています。そこで東大以外の大学の有識者に意見を聞いた、という内容でした。今回は一橋大学の方にお話しを聞いています。
その方は今まで日本が培ってきて春入学を秋入学にすることは大きな改革だか、この改革を徹底することができれば、基本的には秋入学は好ましいことだと述べています。理由は昨今騒がれているグローバル化の教育を推進するために秋入学は大きな貢献をするのではないかということでした。現在アメリカをはじめ、イギリスやヨーロッパなど主要国で9月(秋入学)入学を採用しているため、日本の教育サイクルも世界基準に合わせることでグローバル化がより進むのではないかということです。
ただ問題もあり、それは入口と出口でずれが生じるということです。出口とは就職であり、入口とは高等学校の卒業時期とのずれです。各種企業が柔軟に対応することは予想できるが、高校が9月入学に合わせ6~8月の卒業に変更することは改革という言葉以上の社会的変化が必要になると説いています。そのずれの時期を導入時期と呼び、各種ボランティアや海外留学を含む海外経験に充てることができるのではないか、と説いています。
この制度が日本の大学で広がるか、といったら私は難しいのではないかと思います。というのも、日本の高等学校では推薦入学制度があり、早い学生は卒業前年の12月にはすることがなくなってしまいます。また、一般入試でも通常2月頃には進学校が決まりますので、9月入学となると約半年以上の空白期間があることになります。また、日本の大学は最初の1~2年間は一般教養科目で比較的自由な時間ができますので、高校を卒業してから非常に長い期間フリーな時間を充てられることになります。そのため、秋入学の是非を問う前に、日本の大学教育を改革する必要があるのではないかと思います。