LLMの中で専門性を付ける。

通常 Master of Law を LLM と呼びますが、LLM の中でもその研究テーマは非常に多岐に渡ります。もちろん既に弁護士資格をお持ちの方がさらに専門知識をつけるために留学するケースもありますが、弁護士資格や法律学学士を持っていなくても入学できる LLM のコースもあります。そのため皆さんのバックグラウンドや目的によって注意深くコースを検討する必要があります。ここでは LLM の中でも特に日本人留学生に人気の専攻を紹介しています。

専攻

01

商法(LLM Commercial Law)

海外で商法を学ぶ場合は通常 International Commercial Law を指します。海外の企業を含め、企業が企業活動として行う商売の方法に対する決めごとが商法となります。学ぶ内容は多岐に渡り、学校によって専門性は異なりますが、通常独占禁止法、銀行法、エネルギー法、海洋法、国際税法等です。また対象となるフィールドも様々で、イギリス等ではEU圏に限った商法を学ぶこともできますし、国際法廷紛争について、IT及びMediaに関する紛争問題について、海難事故、海難審判、造船等海事法律について中心に研究する学問等様々です。

専攻

02

国際法(LLM International Law)

国際法は、条約、慣習国際法、そして法の一般原則によって成り立っています。国家間における国家および国際機構の行動に対して適用される法律だけに、その分野は非常に幅広く、国際機構法、海洋法、国際人権法、国際経済法、国際環境法、武力紛争法と研究分野は非常に多岐に渡ります。

海外の大学院で International Law を学ぶ場合も内容は非常に多岐にわたり ま す。 例 え ば Fundamental Issues in International Law、International Environmental Law、International Criminal Law、European and International Human Rights Law 等国際法といっても環境から人権まで研究できるテーマは幅広い分野から選ぶことができます。また International Investment Lawや International Commercial Arbitration 等国際商法に関連した内容も研究できるため、学ぶフィールドは LLM の中でも一番多岐にわたるものと言えま
す。

専攻

03

税法(LLM Taxation Law)

税法を専攻とする場合はどこで学ぶかということが非常に重要になります。例えば、日本とアメリカの税法について比較すると、日本の国税にあたるアメリカの連邦税については日本のように所得税、法人税、消費税等それぞれ独立した税法体系はもっていません。また日本の地方税に相当する州税については、各州の州法に租税についての規定があるため、州によって定められている内容も異なります。

海外の大学院で税法を学ぶ場合は、日本で既に税務関係の仕事に就いている方、また既に弁護士資格をお持ちの方で海外の税法について精通する必要がある方等が多いのが特徴です。

専攻

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環境法(LLM Environmental Law)

環境法はその名の通り生活環境及び自然環境保護に関係する法律ですが、その研究分野は非常に多岐に渡ります。例えば公害法、自然保護法、国際環境法、環境刑法、企業環境法等、環境(生活環境・自然環境)の保護に関連する法律が研究対象となります。特に環境問題についての法律を国家間で取り決める国際環境法や、様々な環境問題について企業に問うべき法律として生まれた企業環境法等は今後注目を集める研究分野といえます。

また現在特に問題視されている野生動物保護、途上国の環境対策に対する援助、兵器を含む様々な過度の文明による環境汚染、等今後取り組まなければならない問題は環境分野については山積みです。そのため環境法の研究分野は今後さらに多岐に渡ると見られ、今よりさらに注目される研究テーマになる可能性があると言えるでしょう。