坂口 慧さん|Kei SAKAGUCHI
坂口 慧さん|Kei SAKAGUCHI
合格スクール | London School of Economics (LSE) The University of Edinburgh |
留学先(国) | イギリス |
専攻(メジャー) | Social Data Science |
職業 | 某国立大学 |
今回 インタビューにご協力頂きました坂口さんは、交換留学を希望し大学へ入学後、コロナ渦により3年生までほぼすべてオンラインで授業が進み、交換留学の道も断たれてしまいました。しかし諦めずご卒業後に見事イギリスの名門LSEに合格されました。そんな坂口さんの留学実現までの道のりをお伺いすることができました。
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
Q1. まずは大学院留学を目指されたきっかけからお伺いできますか?
どこまで遡ってお話すべきか、という部分がありますが、、
そもそも最初は、漠然と海外に興味があって行ってみたいという気持ちからでした。
親に学生時代を海外で過ごした経験があったこと、小さい頃から海外のドラマや映画、スポーツ観戦が身近にあって、いつかは留学してみたいと思っていました。
ただ、進学した高校がいわゆる地方の進学校で、本当に周りに海外留学を考えている友人などがいない状況、医学部や国立大学信仰を強く感じる環境でした。なので、おのずと自分も国立大学の受験を目指す様になり、留学は大学に入ってから交換留学制度を利用して行こうと考えるようになりました。
で、いざ大学に合格し4月の入学式を迎えた頃にコロナの問題が広がり、、
僕の大学の学長は免疫学の先生なので、特に授業はオンライン化が徹底されていて、3年生になるまで1度も対面の授業がないまま過ごしました。
なのでもちろん交換留学制度を利用できる状況でもなく、4年生を迎えました。4年生になってからは周りが就職活動や将来に向けて動き出し、僕ももともと院試を考えていたので、そこで改めて海外の大学院という選択肢を考えるようになったんです。
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
Q2. 大学院留学に向け、いつ頃からどのようにご準備を進められましたか?
主に英語の準備と大学院出願の準備があると思いますが、英語については高校の時からずっと身近に触れていましたし、アルバイトで英語の添削などもしていたのでSpeaking以外は馴染みがある状況でした。
実際にTOEFLの勉強を始めたのは4年生になってからで、4月に初めて受験しました。やっぱり難しかったですが1回受けたらコツはある程度掴めた感じはありましたね。
対策を進めて11月の受験でベストスコアが出たので、そのスコアで出願しました。特に国立大学などに通っている方は英語の下地はあると思うので、早めにSpeakingの機会が得られる様に留学生と交流したりしていると良いかもしれません。
大学院の準備については遅めになってしまったのですが、夏前頃にこちらのサポートをお願いして、色々な大学院をご紹介頂きながら9月頃に出願校を決め、そこから履歴書やエッセイを作成し、推薦状を頼み、11~12月に出願しました。
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?
Q3. 専攻や国、出願校はどのように選ばれましたか?
学部では社会工学という経済学と経営学、都市計画を横断的に学べる学部に所属していました。最終的には主専攻を決めてより専門的に学んでいくのですが、自分の場合は経済学が面白いと思い、3-4年では経済学を主専攻として学びました。
なので、大学院でも経済学について学んでいこうと最初は思っていたのですが、経済学は抽象的な数式も出きますし、トップ校で学ぼうと思ったらとても難易度が高い分野だと思うんですよね。それにトップ校へ進学する為にはコネクションも必要という話も耳にする事があり、迷いがありました。
そんな中、実証経済学という、データを用いて人の行動現象を明らかにするという様な学問分野があるんですが、その分野に触れとてもアカデミックな興味を惹かれました。研究室もそういったテーマで研究が出来る研究室を選び、それがSocial Data Scienceに触れた最初のきっかけになったのですが、更に学んでいくうちにより面白みを感じて、大学院でもこの分野を学びたいと思う様になりました。
国に関しては、政策立案や社会科学の分野でデータを活かすという取り組みを先進的に進めているイギリスに興味を持っていました。1年でMasterを履修出来るという点も僕にとっては費用の事も考えて魅力でした。実はイングランドのサッカーリーグの大ファンで、小学生のころからずっと見ていたので、それも大きいですね(笑)。
イギリスの中でも特に社会科学系でどういった大学があるんだろうと見ていった時に、LSEという大学がある事を知り、経済学の論文で引用参考文献の欄で度々目にする事があったので、著名な学者が沢山いるという面でもとても魅力に感じ、直感的にこの大学良いなと感じていました。
実際にイギリスやオランダでSocial Data Scienceに関するMasterプログラムを開校している大学をご紹介頂いた際にも、LSEはとても興味深いプログラムを提供していましたので、当初から第一希望として考えていました。
他にはUCLやEdinburghも魅力的なプログラムがあったので併願しました。Oxfordも出願を考えていましたが、求められる英語スコアが高すぎて、、また出願準備としてもキャパオーバーだったので、最終的には出願を見送りました。
Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や逆に大学院留学を目指したからこそ得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
Q4. 留学ご準備の中で大変だった事や逆に大学院留学を目指したからこそ得られた事など、印象に残っている事があったら教えて頂けますか?
大変だった事で言うと、やっぱり周りに同じ様に目指す人がいないことの孤独感や、本当に合格するのか全く予測が出来ない雲を掴むような状況の中で準備を進めなければいけなかった事、でしょうか、、
それまではテストのスコアや偏差値だったり、数値である程度の予測がつく中でやってきたのに対して、今回は志望動機や推薦状といった数値で測れないところで判断されるというところに戸惑いややりづらさを感じました。
出願校を選んだりエッセイを書いたりする事自体は全く苦労ではなく、むしろ頑張れる事が嬉しかったんですが、推薦状が困りましたね、、。1通は研究室の教授にお願いできたので良かったんですが、2通目に関してはオンライン授業でほぼ対面でお会いしたことがない先生にお願いしなければいけなかったので、そこが大変でした。
最終的には研究室の教授にご紹介頂いて何名かの教授にお願いした中で受けて頂ける方がいらっしゃったので幸運でした。ただこちらのサポートで推薦状の下書き作成をお願いできたのでスムーズでしたが、下書きがなかったら受けて頂けたかどうか分からなかったと思います。とても助かりましたね。
得られた事で言うと、今回海外の大学院について国を跨いで検討していった事で、各国の特徴にとても違いがあるんだな、という事がわかって今までなかった視点が持てたり、感じられる様になった事はとても良かったと思います。
各国の教育に対する考え方や政策、方針によって学費も大きく違うんですよ。先日東京大学の授業料が50万円から60万円に引き上げられたというニュースを目にしましたが、今までだったら気にならなかったそんなニュースも色々感じるところがありました。教育を受ける側だけの立場ではなく、外から大局的に見られるようになった事はとても良かったと思います。
イギリスの大学院は、留学生はとても授業料が高いのですが、それを分かったうえで最大限取り返してこられる様学んできたいですね。
Q5. 色々な経過を経て間もなく渡航予定と伺っております。今のお気持ちをお聞かせいただけますか?
Q5. 色々な経過を経て間もなく渡航予定と伺っております。今のお気持ちをお聞かせいただけますか?
7月からpre-sessional courseの受講を予定しているので、もう間もなくですが、今は本当に楽しみです。学部時代は出来ないことが多く、不満が大きかったので(笑)。
よくイギリスは1年なので忙しいと聞きますが、学問で忙しくて困ったという事が今まであまりなかったので、自分の限界まで全力を出してみたいなという気持ちがあります。自分が興味のある学問分野に没頭して、同じように没頭する仲間たちと有機的に関わって議論をしたり、、シンプルにそんな経験を沢山してみたいです。
まずはもちろん学問分野で授業にしっかりついていくという事が基本ですが、LSEでは多くのイベント、例えばPublic Lectureなども多く開催されているので、そういった機会を沢山活用して多くの方と交流したり経験を積んだりしてきたいとも思っています。
卒業後のキャリアについては、このコースの卒業生は学んだことをダイレクトに活かして、データサイエンティストやアナリストになる人が多いようですが、自分の場合もデータサイエンスの知識を活かせる専門職としてキャリアを目指したいと思っています。
活かすエリアとして、企業の経営に活かすという仕事も面白そうではありますが、やはり経済や公共政策などの分野にデータ分析の力を使って貢献出来たら、と思っています。
Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
Q6. 色々なお話、ありがとうございます。最後に現在大学院留学を目指されていらっしゃる皆様へアドバイスやメッセージなどございましたらお願いたします。
そうですね、もし迷っていらっしゃる方がいたら、やっぱり実際に大学院留学へ行った方とか、そういった方をサポートしている様な企業の方とか、自分の希望に共感してくれる人とまず話す機会を作った方が良いと思います。
留学に行きたいと言ったら、周りにいる人から否定的な態度や言葉を受けるかもしれません。
僕の場合は両親が全面的に応援してくれて、精神的にも経済的にもバックアップしてくれたので本当にありがたかったですが、そうでない場合もあると思うのでそういう時は、まずは自分の希望や直感を信じて共感してくれる人の話を聞いたり、自分で調べたり動き出してみてほしいと思います。考えすぎるとやっぱり批判している人の意見が耳に入ってきちゃう事もあると思うので、、。
あと、やりたいことが見つかったらモチベーションはキープしやすいと思うので、早めにそういった分野が見つけられる様に、色んな科目を履修したり、経験をしてみたり出来ると良いと思います。